映画『あん』
優しく、せつなく、でもあたたかく、きれいで、身体に染み渡る映画だったなぁ。
希林さん演じる徳江さんの言葉が、あまりにも素敵で、心の真ん中にじわじわと広がる。
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『 あんを炊いている時の私は
いつも小豆の言葉に
耳を澄ませているの
それは
小豆が見てきた
雨の日や風の日を
想像することです
どんな風に吹かれて
小豆がここにやってきたのか
旅の話を聞いてあげること
そう、聞くんです
この世にあるものは全て
言葉を持っていると
私は信じています 』
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『 私たちは
この世を見るために
聞くために
生まれてきた
だとすれば
何かになれなくても
私たちには
生きる意味があるのよ 』
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ほんとうにその通り。
わたしが大事にしていきたいことが、この言葉たちに集約されている気がする。
大切なことは何か、目を向けるべきことは何か。
社会の偏見や深くやり場のない悲しみを乗り越えてきた徳江さんから発せられるこの言葉。
『私たちの在り方』を改めて考えさせられる。
希林さんの追悼として公開されていたこの映画。
今のわたしだからこそ心にずっしり響いてくる。心が豊かになる。
観れたことに、感謝。